握り寿司とは


握り寿司は、別名「江戸前寿司」などとも呼ばれていて、酢飯を小さく塊にしたものの上に、寿司種と言われる具を載せて握った食べ物のことを指します。

  握り寿司の歴史

握り寿司は、比較的お寿司の中では歴史は浅く、江戸時代に生み出されたもの、と言われています。

1829年には、「柳多留」という、川柳を集めた書物の中に、初めて「握り寿司」について書かれた文が掲載されています。

江戸前寿司の「江戸前」とは、江戸の前、すなわち現在の東京湾の事を指していて、江戸前の魚介類、海苔を使った「江戸前寿司」は、江戸にある多くの屋台で販売されるようになって行きました。

当時の握り寿司は、「おにぎり」程の大きさがあるもので、食事の際に食べる、と言うよりも、おやつとして食べられていました。

明治の30年頃から、氷が比較的入手しやすくなった事で、すし屋においても氷が利用されるようになります。
それに加え、流通が進歩した事などによって、生の魚介を取り扱う環境が整っていき、今までは醤油漬けなどをしたり、加熱したりしていたものでも、生で取り扱うことが増えていきます。
握りの大きさも徐々に小さくなっていき、今の握り寿司とほぼ同じ形に変わっていきます。

その後、関東大震災が起きた後、寿司職人が東京から離れていって、その事で江戸前寿司が日本全国に普及していった、とも言われています。

  握り寿司に使われる食材

握り寿司などの寿司全般に使われる魚介類やその他の食材をまとめて、寿司種と言います。
「ネタ」と呼ぶこともありますが、これは、「タネ」を逆に読んだ、プロが使う隠語です。

寿司種は、光り物、生もの、貝、煮物、その他などがあります。

生ものでは、マグロやかつお、鯛、ひらめ、ハマチやブリ、鮭やえびなどがあり、生ものとはいえ、軽く酢で締めたり、醤油漬けなどにする場合もあります。

貝は、赤貝やホタテ、カキなどが使われ、あさりやハマグリ、あわびなどは煮物に分類されています。

光り物はアジやサバ、イワシや秋刀魚などが使われていて、その多くは酢で締めて使われます。

煮物では、カニや海老、アナゴやタコ、ウナギなどがあり、茹でたり蒸した物も入ります。
甘く煮詰めたものを上に塗って出されることも多いです。

その他では、卵焼き、イクラ、ウニなどがあり、さらには回転寿司などでは、ツナやフライ物などが使われることもあります。

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