現在、羊羹は多様な種類があり、高価なものから、比較的安価で個包装されてスーパーなどで手軽に手に入れられるものまで登場していますが、その「羊羹」の歴史については、あまり知られていない気がしています。
ここでは、その「羊羹」についての歴史などを紹介していきましょう。

  羊羹の歴史

本来、中国では「羊羹」といえば羊肉のスープのことを言いました。
羊羹の「羹」は、とろみのあるスープのことを指しています。
つまり、「羊の羹」ということですね。
これが鎌倉から室町時代の頃に、禅僧が中国に留学した時、点心のひとつとして出された「羊羹」を日本に伝えたのですが、肉を食べることが禁止されていた禅僧は、植物性の材料を代わりに使って、羊の肉に似せた料理が作られた、と言われています。
時がたつにつれ、羊羹に甘さが加えられるようになって、「蒸羊羹」が生まれます。
「蒸羊羹」は、小豆に小麦粉などを混ぜて作られましたが、その後、テングサ、小豆のあんを使った「練り羊羹」が生まれます。
テングサとは、寒天の元となる海藻の一つです。

江戸時代には、練り羊羹が主な羊羹として食べられるようになり、蒸羊羹は安価な羊羹として(練り羊羹の半額程度)扱われるようになります。
後に、水分を多めにした「水羊羹」が作られるようになります。
当時は、お節料理のひとつとして、冬に食べられていました。
しかし現在ではその風習は消えてしまい、冷蔵庫などが普及した事によって、季節を問わず食べられるようになりました。
特に、夏の季節に食べられることが多いのが「水羊羹」です。

  芋羊羹の歴史

明治の30年代に、芋、そして炭の卸問屋をしていた小林和助という人が、その当時にはとても高価で庶民には手が届かなかった練り羊羹の代わりとして、サツマイモを使った羊羹を作ろう、と考え、以前勤めていたウイスキーの工場で同僚だった石川定吉という人と一緒に、芋羊羹を生み出します。

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